私記

自分の得た知識や、見て周ったことなどを記しています。

【多摩動物公園】シズカさんにありがとうとアムールトラ舎のおはなし

 

お気に入りのシズカさんの写真が多くてなかなか選べませんでした。

2023年春に撮影した、お花を愛おしそうに見つめているかのようなシズカさんを一番上に載せたいと思います。

 

 

ありがとうシズカさん

2024年2月、多摩動物公園で暮らしていたアムールトラのシズカ(♀)が飼育展示中に亡くなりました。(https://www.tokyo-zoo.net/topic/topics_detail?kind=news&inst=tama&link_num=28419)

 

私が初めてシズカに会ったのは今から4年ほど前なので、私はシズカの最期の3年ほどしか知りません。

それでも、放飼場でのんびり座っていたり、ゴロンと寝ていたり、時には豪快に水の中に入っていったり、たくさんの顔をみせてくれました。ありがとうね。

草むらに座り、静かに空を眺めたり、目をつむって過ごす時、シズカは何を思っていたのかなと写真を振り返りながら考えてしまいます。

 

イチとアルチョムには少し幼さが残っているように見えますが、シズカにその幼さはなく、凛として美しい姿が印象的でした。

しかし動物園の過去の記録を見てみると、幼少期はだいぶヤンチャな女の子だったとあり、私は時々幼いシズカを想像しながらトラ舎に向かったりしています。

 

以前はオオカミ舎のおはなしをまとめましたが、今回はシズカの誕生からアムールトラのおはなしをまとめてみようと思います。

 

センイチとイチロウ

シズカの両親は、二頭ともドイツの出身です。

母親のアシリはドイツのベルリン動物公園、父親のビクトルはドイツのライプツィヒ動物公園から来園した個体で、多摩動物公園でペアリングを行い、2003年に初めてアシリが子を出産しました。

 

その時生まれた子はオスで、「センイチ」と名付けられました。

多摩で生まれたアムールトラはスポーツ選手の名を付けられがちなので、私は詳しくないですがおそらく野球選手(監督)の名が由来かと思います。

https://www.tokyo-zoo.net/topic/topics_detail?kind=news&inst=tama&link_num=387

しかし、アシリが子育てにあまり関心を示していなかったようで、センイチは人工哺育で育てられ、生後半年もしないうちに大阪の天王寺動物園へお引越ししました。

 

その翌年もアシリは出産をし、この年は無事アシリの子育てにより子が生育しました。

その子もまた野球選手にちなんで「イチロー」と名付けられ、2歳まで多摩で暮らしていましたが、突然の体調不良でそのまま帰らぬトラとなってしまったようで、とても悲しいですね...

 

イチローが亡くなった二年後にシズカが誕生しました。(2006年6月16日生)

そのため、シズカにはお兄ちゃんトラがいたのです。

ちなみにセンイチは、2021年、天王寺動物園で(当時)アムールトラとしては最高齢の17歳でこの世を去ったそうです。

www.tennojizoo.jp

 

天王寺でもとてもかわいがられていたのだなと伝わるブログでした。

ありがとうございます。

 

 

シズカとリング

アシリはシズカの時も子育てを頑張ってくれたようで、親子での展示がなされていたようです。

それにしても生まれたばかりのシズカ、可愛すぎますね。

https://www.tokyo-zoo.net/topic/topics_detail?kind=news&inst=tama&link_num=4940)

 

シズカはスケート選手(元)の名から付けられたようですが、「静か」ではなくおてんばな女の子だったようです。

それもまた可愛いですね。元気でなんぼです。

しかし、シズカが生まれた年に母親のアシリが秋田の大森山動物園へ移動してしまったため、シズカは幼くして一人になってしまいました。

まだ一歳にもなっていない子トラシズカにとっては寂しい別れでしたね...

 

それから二年たった2009年、シズカにお婿さんとしてオスのトラ「リング」釧路市動物園より来園しました。

そしてペアリングに成功し、翌年の夏、シズカは三頭の子を出産しました。

この年もスポーツ選手にちなみ、オスは「ケイスケ」、メスは「アイ」と「マオ」と名付けられました。

https://www.tokyo-zoo.net/topic/topics_detail?kind=news&inst=tama&link_num=15721

 

残念ながらケイスケは生後半年ほどでなくなってしまいましたが、アイとマオは元気に成長しました。

2013年にマオは北海道の「おびひろ動物園」へお引越し、アイは9歳頃まで多摩で過ごしたのち、2019年に大分県の「九州自然動物公園」へお引越ししました。

 

今年の夏、二頭は14歳になりました。

高齢ですが、ゆっくり過ごしてくれてたらいいなあと思います。

 

 

 

アイちゃんは非公開でほとんど情報がないですが、今も元気でいてくれたらいいなあ。

https://x.com/africansafari1/status/1611588126845325313?s=46&t=MnycbiNSogu7mFi-f7UsHQ

 

 

ちなみに、多摩に来園してくれたリングですが、多摩に来る前に過ごした釧路市動物園では、「チョコ♀」とペアになり、今や釧路市動物園のアイドルと言っても過言ではないアムールトラ「ココア♀」とその双子として生まれてきてくれた「タイガ♂」(生まれてすぐに亡くなってしまいました)の父親でもあります。

つまり、アイとマオの異父兄妹になりますね。

 

ココアは足に障害があり、負担を減らすため食事制限を受けて育ったため他のアムールトラより小柄な体系をしていますが、歳を重ねても変わらないチャーミングなお顔が全国にファンを作り続けているとか...

 

ココアちゃん、目が合うともう視線を離せないですね。

 

 

 

シズカとアルチョム

アイがまだ多摩にいるとき、ドイツから新たなオス「アルチョム」が来園しました。

今でこそ悠々マイペースの坊ちゃん感がありますが、来園当初のアルチョムは相当なビビりで飼育管理に苦労したそうです。

https://www.tokyo-zoo.net/topic/topics_detail?kind=news&inst=tama&link_num=23960

 

おにぎりフェイスで愛されるアルチョム。

 

アルチョムは、アイのペアとして繁殖に挑戦していましたが、うまくいかなかったそうで、一旦シズカにアルチョムを預けてみようと同居させたところ、偶然にも繁殖に成功し、2019年1月29日、シズカが三頭の子を出産しました。

しかし、難産だったようで、生まれてまもなく二頭は亡くなり、残ったオス一頭も不調が続いていたようです。

加えて、シズカにも子育ての意思がなかったようで、人工哺育となりました。

https://www.tokyo-zoo.net/topic/topics_detail?kind=news&inst=tama&link_num=25582

 

このオスは「ショウヘイ」と名付けられました。

私もショウヘイくんは実際に会いに行ったことがありますが、すでに成獣になっていたので小さな頃の写真はありません...

 

その後ショウヘイは、2021年に兵庫の王子動物園へ婿入りしましたが、アルチョムに似た臆病さを発揮し、しばらく展示場へ出てこなかったそうで、X(旧ツイッター)でも岩に隠れながら外を見るショウヘイ君をよくみかけました。

飼育員さんとともにお外練習を頑張り、なんとかお外にも出られるようになったようですが、無理せず過ごしてくれていると嬉しいです。

 

困り顔は健在なようでショウヘイ君のチャームポイントですね。

 

 

シズカからイチへ

2024年、シズカが息を引き取った年、山口県周南市徳山動物園出身のアムールトラ「イチ」がアルチョムとの間に一頭の子を出産しました。

 

イチは、2015年の6月11日に、「ケン」と「ウラル」の間に生まれた子で、「シュウ」「ミナミ」とともに三つ子として生まれました。

三つ子のうちシュウは九州自然動物公園へ移動し、2019年に多摩から移動したアイとペアになりましたが、その後大森山動物園へ移動しています。

アイが移動したのと同じ年に、イチが多摩に来園したのです。

https://www.tokyo-zoo.net/topic/topics_detail?kind=news&inst=tama&link_num=26008

 

イチちゃんは、目が吊り上げっているためか、いつもニコニコしているように見えて、とても可愛らしい女の子です。

 

 

まだあどけなさが残っているなあとみていましたが、2024年に一トラの母となり、しっかり子の面倒を見ている様子にもう子供ではないんだなと実感させられました。

 

イチちゃんとアルチョムの子、「フタバ」と名付けられたようです。とても尊いですね。

現在は公開に向けた練習が始まっているようですが、連日とんでもない猛暑なので体調を崩さないといいなと祈るばかりです。

www.tokyo-zoo.net

 

 

シズカとアルルとミルル

イチの子で盛り上がってしまいましたが、この記事の主役はシズカでしたね。

 

シズカは幼くして母離れをしたと書きましたが、その母アシリは移動先の大森山動物園にて2008年に二頭の子を出産しています。

なのでシズカには異父姉妹が二頭いるのです。

 

それが「アルル」と「ミルル」です。

https://www.city.akita.lg.jp/_res/projects/default_project/_page_/001/034/035/103p4-7.pdf

アルルは広島市安佐動物園へ移動し、子を四頭出産し、そのうちの「ヒロシ」が大森山動物園へ帰ってきて、「風」「令」「月」「和」の父親となりました。アルルはおばあちゃんになりました。

この四兄妹も今や全国に散らばり、SNS上で可愛らしい姿をたくさんおみかけします。

(風くんは2023年に亡くなってしまいました。)

 

一方のミルルは、福山市動物園に移動しましたが、後に周南市徳山動物園へ移動しました。

 

アルルちゃん、元気そうです。

でも高齢なので、無理なく過ごしてほしいです。

 

ミルルちゃんもよくXにて可愛らしい動画をみかけます。

二頭とも無理なく過ごしてほしいです。

 

 

追記

アルルは、2024年の8月に亡くなりました。

お空でシズカに会えていたらいいなと願うばかりです。

 

https://x.com/asa_zoo/status/1821099816816140415?s=46&t=MnycbiNSogu7mFi-f7UsHQhttps://x.com/asa_zoo/status/1821099816816140415?s=46&t=MnycbiNSogu7mFi-f7UsHQ

 

 

 

多摩で生まれ、多摩で亡くなったシズカですが、全国にシズカのかけらはたくさんありますね。

これからも多摩(だけではないけれど)のアムールトラの繁栄を空から祈っててね。

 

シズカさん、いつもここにいてくれてありがとう。