生命科学楽しみ隊

生命の持つ不思議や神秘に魅了されております。ここでは生きた証として残しておきたい知識を記しています。

海のタカと呼ばれるミサゴの子育てをのぞいてみたら尊かった

 

先日、NHKBSプレミアムで放送されていた「ワイルドライフ」でミサゴの繁殖を観ました。

 

私は頻繁に動物園に通っているくらいには動物好きで、これまではネコ科やイヌ科の獣を中心的に追いかけていました。

(前回の記事ではエゾタヌキについて紹介しましたし..)

life-science.hatenadiary.com

 

しかし、最近は野鳥の世界にも足を踏み入れ、鳥の生態について本で読んだり、渡り鳥の飛行ルートを世界地図に書き入れるなどしてしまっています。

 

ちょうど鳥っておもしろいなぁと思っていたタイミングで放送されたのがワイルドライフのミサゴ回だったので、食い入るように観てしまったわけです。

なので今回はほぼ感想みたいな記事になりそうです。

 

 

 

ミサゴは世界各地で観られ、日本でも全国的に観察されているらしい

私の居住地区でも毎日鳥の鳴き声が聞こえ、スズメやハトが毎日エサを食べている集合場所みたいなものがあったり、夏前には駅にツバメが巣を作っていたり、カラスがベランダからハンガーを盗んでいたり、名の知れた有名な鳥たちが暮らしています。

 

しかし、海や湖が近くにないため、水鳥はあまりみることがありません。

時々川に白い鶴なのか白鳥なのかわからぬ鳥が立っていたりもしますが、タカやワシを見ることは滅多にありません。

昔江の島でタカに焼き鳥をすられたことがありますが、動物園以外ではそれ以来みていません。

 

話が大ずれしてしまいましたが、ミサゴ(英名はオスプレイ)は日本でも全国的にみられるらしいのです。え?知らなかった..

日本以外でも見られ、一部の寒冷地を除き世界的に分布しています。

 

ミサゴはタカ目タカ科の猛禽類で、主に魚を取って食べるため水辺に暮らしています。

繁殖も水辺付近の木の上などに巣を作ります。

夏鳥なので、秋ごろになると越冬のため南の温かい地域に飛んでいきます。

そして夏前には、自分が生まれた場所や昨夏に繁殖が成功した場所に戻ってきて、パートナーと子育てをします。

ミサゴは他の多くの鳥と同様、一夫一妻制のようですね。

 

 

コネチカット河川の湿原で子育てをしていたミサゴ

ワイルドライフでは、アメリ東海岸にあるコネチカット河川に広がる湿原で繁殖をしているミサゴが取り上げられていました。

コネチカット河川は、満ち潮になるとロングアイランド湾から海水が逆流してくるため、淡水と海水が混じりエサが豊富にあるとかなんとか。

 

繁殖シーズンになり、一羽の雄が高い木の上にやってきました。昨年もここで子育てをしたそうです。

雄が先に巣の場所を確保し、他の鳥に使われないようにしているみたいですね。

その後雌がやってくると、雄が自分がパートナーにふさわしいことをアピールしていました。

魚を運んで来たり、体力を見せつけたり、かっこいいアピールでした。

 

雌が雄を受け入れると交尾をし、数週間ほどで卵ができ、あたためてヒナが生まれるのを待ちます。

雨の日も風の日も雌はじっと卵を抱え守っていて、その間雄は魚を運び続けるという献身的な姿が心をうちますね。

 

 

ミサゴに迫る危機

雄が魚を取るのは簡単かと思いきや、結構苦労が見られました。

湿地にはミサゴ以外にも魚を食べるものたちが多く暮らしているため、獲物の奪い合いがありました。

ミミヒメウがミサゴが持っている魚を横取りしようとしてきたり、また雨の日はそもそも海の中が見えなくて魚がどこにいるか分からないなど。

でも、再びエサを狙われないよう威嚇したり攻撃したり、対策もしていて本当に頭が良いんだなあと。

 

卵を抱える雌側にも危険はあり、木の上に巣を作れたつがいは大丈夫ですが、木の上には作れず、地面に近いところに巣を作ってしまうと、夜行性の動物だちが卵を狙いにやってくるのです。

湿原にはキツネをはじめ、アライグマやコヨーテなどの肉食獣もいて、一瞬雌が留守にした隙に卵が奪われたり食べられてしまったりして、繁殖に失敗するケースも多いそうです。

高い木が少なくなってしまったため、以前より繁殖が難しくなっているのもまた事実で、ボランティアで高台を設置するなどの工夫もしているそうです。

 

 

ミサゴの子育ての終わりと巣立ち

卵がかえると、ヒナたちがエサをねだり、雌は雄がとってきた魚をひたすらヒナの口に運んでいきます。

ミサゴの羽の毛は暖をとったり水をはじくなどの機能がありますが、生まれたばかりのヒナたちにはまだその機能がないため、雌が羽を広げヒナたちを守ります。

 

ヒナたちが大人の毛に変わり、身体も大きくなってくると、雌は南に向かって飛んで行ってしまいました。

これはこのペアだけでなく、ミサゴ界隈では雌の方が先に巣を離れてしまうのがデフォルトなのかしらね。

巣に残されたヒナたちには、しばらく雄が魚を運び続けていましたが、ヒナたちが飛べるようになると雄もどこかへ飛び去っていきました。

 

ミサゴの子供は、親に狩りなどを教わることなく、自分で習得していくのだそうです。

飛んでみたり、魚を取ってみたり、同級生たちと遊んでみたり、しばらくは生まれた場所を離れませんでしたが、きっと越冬のため南へ飛んでいくのだと思います。

 

誰に何を教わることはないけれど、ここでは冬を越せないなと本能的に理解し温かい場所に飛んでいくのかなと思うとすごいです。

鳥って、別の場所で再開した際に、「この人が親だ」とか「子の人は兄弟」とかわかるんですかね?

 

寒い時期はそれぞれあたたかい場所で過ごし、夏には毎年同じ場所で同じパートナーと過ごす、なんてロマンチックな自然の摂理.. !

やっぱり鳥っておもしろいな~

他の鳥のことももっと知っていきたいなあと思います。

 

 

それでは今回はこの辺りで。

お読みいただきありがとうございます。